日記
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お題小説。
30分切れ負け
『猫』
『恐山』
『かき氷』
どうぞ。
---------------------------------------------
吾輩は猫である―――なんていう小説があったのを記憶している。
確か千円札が書いた大衆小説だ。
あれを読んだとき、俺は文豪と呼ばれる人間がこんないい加減なものを書いていいのかと首をかしげたものであるが、今では感慨深い話だ。
俺は自分の体を見てみる。
そこには、毛むくじゃらな体がある。
体毛がすごいとかいう表現ではたりない。
俺の体は人間ではなかった。
猫だった。
唐突だが宣言しよう。
どうやら俺は、猫の体に口寄せされたらしい。
●●●
恐山の口寄せの術といえばなかなかに高名な術であり、俺も生前不可思議な術式があるものだなあ、と達観したものだ。
そして、俺はなぜかその口寄せの術によって、猫の体になってこの世に顕現してしまったのだ。
まったく、死人になんてひどい扱いをするのだろうか。
あの世で悠々自適の生活を送っていたというのに、これではあんまりである。
この世に戻ってきたら「はい畜生です」では俺がうかばれない。
だから俺は、恐山で俺のことをこの世に戻した奴らにむかってこう言ったのだった。
「にゃにゃにゃあ! にゃあ! にゃにゃ!」
すさまじい剣幕に相手はビクついているようだった。
生前、鬼軍曹と呼ばれた貫禄が滲み出ていたのだろう。
彼らは俺の体を抱き寄せると俺の頭を撫でながらひとしきり謝っていた。
そのとき、ゴロゴロと不覚にも喉をならしてしまったのが悔やまれるものだ。
俺は恥辱にまみれ、それ以上はその場所にとどまっていることができずに逃亡した。
恐山を下山し、俺は今住宅街を歩いていた。
はてさて、ここはどこなのだろうか。
恐山とはいったい何県にあったか……ちっとも思い出せない。
俺は四本足で歩きながら、途方にくれて「にゃあ……」と鳴き声をあげてしまった。
その鳴き声はあまりにも弱々しく哀愁をただよわせるものだったので、俺はこれではいかんとばかりに決意表明した。
「にゃにゃあ! にゃああ!」
いさましく、貫禄に満ち溢れた決意の塊だった。
そんな俺の美声につれられたのか、一匹のメス猫が俺の目の前にあらわれた。
ペルシャ猫だ。
こんなド田舎に小粋な猫がいたもんだと思っていると、なぜかそのペルシャ猫が鼻息を荒くして俺に襲い掛かってきた。
「にゃにゃあ!?」
俺の疑問の声には無頓着に、彼女は俺の体をまさぐってくる。
顔を俺の全身にこすりつけ、ペロペロと舌で愛撫する。
彼女の舌はザラザラしていて痛い。
はて、なぜこんあ美人の舌がかくも痛いのかと思うのだが、なんてことはない、彼女は猫なのである。猫の舌はザラザラしているものなのである。痛いのは当然なのだった。
「にゃああん!」
喘ぎ声をだしながら、彼女は俺を責める。
顔を赤らめて、鼻息を荒くして、俺の体を求めているようである。
発情しているのだ。
まったく、これだから畜生は始末におえない。
俺の意識が憑依している猫の体は、そこまで男前ではないものである。
にも関わらず、美人であるペルシャ猫は俺の体を求めてやまないのである。
こいつらは結局誰でもいいのだ。
性欲を発散したいだけなのだ。
いや、ただ子孫を残したいだけなのだ。
人間で童貞な男は、すべからく猫になるべきだ。
誰でもやヤレるぞ本能万歳だ。
バカバカしいといったらなかった。
「ニャニャッ!!」
俺は毅然に言った。
このアバズレ女がとっととイね!
そういう言葉を口にしても、彼女は逆に興奮して私の体を狙うだけだった。
始末におえない。
俺は走り出した。
追いかけてくる彼女を持ち前の脚力で突き放す。
なんとかまけたようだ。
私は走ったからか空腹を感じた。
近くにかき氷屋があった。
かき氷は生前の俺の好物だ。
机には注文を受けてつくられたかき氷が並べられていた。
私はひょいっと机に飛び乗った。
猫の俺にとって、これくらいは造作もないことだった。
私はかき氷に舌を這わせた。
いっきにぱくついた。
氷の塊がいっきに喉を嚥下していく。
その時だった。
私は、頭が勝ち割られるような頭痛に襲われた。
「ニャニャアア!!」
猫にも関わらずかき氷なんか食べた私がいけなかったのだろう。
俺はぐったりと倒れこんだ。
私の意識は猫の体からスルリとぬけた。
そして、天高く舞い上がり、もとのあの世へと戻った。
こうして、私の畜生道は終わった。
(終わり)
----------------------------------
(総評)
今回はいつも以上にひどかった。
まずテンポが悪い。
オチもわけがわからん。
人間の偉そうな態度を猫がすることによって滑稽というか可愛くなってしまうという場面を書きたい・・・・というやりたいことができなかった。
精進精進。
30分切れ負け
『猫』
『恐山』
『かき氷』
どうぞ。
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吾輩は猫である―――なんていう小説があったのを記憶している。
確か千円札が書いた大衆小説だ。
あれを読んだとき、俺は文豪と呼ばれる人間がこんないい加減なものを書いていいのかと首をかしげたものであるが、今では感慨深い話だ。
俺は自分の体を見てみる。
そこには、毛むくじゃらな体がある。
体毛がすごいとかいう表現ではたりない。
俺の体は人間ではなかった。
猫だった。
唐突だが宣言しよう。
どうやら俺は、猫の体に口寄せされたらしい。
●●●
恐山の口寄せの術といえばなかなかに高名な術であり、俺も生前不可思議な術式があるものだなあ、と達観したものだ。
そして、俺はなぜかその口寄せの術によって、猫の体になってこの世に顕現してしまったのだ。
まったく、死人になんてひどい扱いをするのだろうか。
あの世で悠々自適の生活を送っていたというのに、これではあんまりである。
この世に戻ってきたら「はい畜生です」では俺がうかばれない。
だから俺は、恐山で俺のことをこの世に戻した奴らにむかってこう言ったのだった。
「にゃにゃにゃあ! にゃあ! にゃにゃ!」
すさまじい剣幕に相手はビクついているようだった。
生前、鬼軍曹と呼ばれた貫禄が滲み出ていたのだろう。
彼らは俺の体を抱き寄せると俺の頭を撫でながらひとしきり謝っていた。
そのとき、ゴロゴロと不覚にも喉をならしてしまったのが悔やまれるものだ。
俺は恥辱にまみれ、それ以上はその場所にとどまっていることができずに逃亡した。
恐山を下山し、俺は今住宅街を歩いていた。
はてさて、ここはどこなのだろうか。
恐山とはいったい何県にあったか……ちっとも思い出せない。
俺は四本足で歩きながら、途方にくれて「にゃあ……」と鳴き声をあげてしまった。
その鳴き声はあまりにも弱々しく哀愁をただよわせるものだったので、俺はこれではいかんとばかりに決意表明した。
「にゃにゃあ! にゃああ!」
いさましく、貫禄に満ち溢れた決意の塊だった。
そんな俺の美声につれられたのか、一匹のメス猫が俺の目の前にあらわれた。
ペルシャ猫だ。
こんなド田舎に小粋な猫がいたもんだと思っていると、なぜかそのペルシャ猫が鼻息を荒くして俺に襲い掛かってきた。
「にゃにゃあ!?」
俺の疑問の声には無頓着に、彼女は俺の体をまさぐってくる。
顔を俺の全身にこすりつけ、ペロペロと舌で愛撫する。
彼女の舌はザラザラしていて痛い。
はて、なぜこんあ美人の舌がかくも痛いのかと思うのだが、なんてことはない、彼女は猫なのである。猫の舌はザラザラしているものなのである。痛いのは当然なのだった。
「にゃああん!」
喘ぎ声をだしながら、彼女は俺を責める。
顔を赤らめて、鼻息を荒くして、俺の体を求めているようである。
発情しているのだ。
まったく、これだから畜生は始末におえない。
俺の意識が憑依している猫の体は、そこまで男前ではないものである。
にも関わらず、美人であるペルシャ猫は俺の体を求めてやまないのである。
こいつらは結局誰でもいいのだ。
性欲を発散したいだけなのだ。
いや、ただ子孫を残したいだけなのだ。
人間で童貞な男は、すべからく猫になるべきだ。
誰でもやヤレるぞ本能万歳だ。
バカバカしいといったらなかった。
「ニャニャッ!!」
俺は毅然に言った。
このアバズレ女がとっととイね!
そういう言葉を口にしても、彼女は逆に興奮して私の体を狙うだけだった。
始末におえない。
俺は走り出した。
追いかけてくる彼女を持ち前の脚力で突き放す。
なんとかまけたようだ。
私は走ったからか空腹を感じた。
近くにかき氷屋があった。
かき氷は生前の俺の好物だ。
机には注文を受けてつくられたかき氷が並べられていた。
私はひょいっと机に飛び乗った。
猫の俺にとって、これくらいは造作もないことだった。
私はかき氷に舌を這わせた。
いっきにぱくついた。
氷の塊がいっきに喉を嚥下していく。
その時だった。
私は、頭が勝ち割られるような頭痛に襲われた。
「ニャニャアア!!」
猫にも関わらずかき氷なんか食べた私がいけなかったのだろう。
俺はぐったりと倒れこんだ。
私の意識は猫の体からスルリとぬけた。
そして、天高く舞い上がり、もとのあの世へと戻った。
こうして、私の畜生道は終わった。
(終わり)
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(総評)
今回はいつも以上にひどかった。
まずテンポが悪い。
オチもわけがわからん。
人間の偉そうな態度を猫がすることによって滑稽というか可愛くなってしまうという場面を書きたい・・・・というやりたいことができなかった。
精進精進。
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